2008-11

[PSP] インプレ24 : 『メタルギアソリッド ポータブル・オプス』

メタルギアソリッド ポータブル・オプス タイトル メタルギアソリッド ポータブル・オプス
 ジャンル タクティカル・エスピオナージ・ アクション
 対応機種 PSP
 対象年齢 CERO 【C】 (15歳以上対象)
 開発元 コナミ (小島プロダクション)
 発売元 コナミ
 発売日 2006/12/22


 プレイ時間 40〜45時間、クリア済み
ちょっと時期的に今更感が漂いますけど、書きたかったので書きます。PSPということでアシッドのような外伝と思われがちですが、本編です。『MGS3』の主人公ネイキッド・スネークは、スネークイーター作戦を完遂させたことによりアメリカの英雄となりました。そんな彼が小島監督の処女作『メタルギア』では世界を敵に回すことになります。果たしてその間に何があったのか?それを補完するのが『MPO』の核となるお話。ですから、この時点でシリーズを追うファンにはプレイ必須なわけです。しかし・・・今作においてはシナリオ抜きにしても、開発陣の意気込み、ソフト自体の作りこみ具合などが据え置き版のそれと遜色ないものになっているので、ファン以外にも十分訴求できる作品になっていると思います。

※ネタバレなし



 携帯機で気軽に楽しめるスニーキングミッション

元々アシッドが作られた経緯には、携帯機にシビアなアクションは不向きという、
特に日本では根強いある種の既成概念的なものに起因するところがありました。
MGSの要素に「カード」を採用することによってリアルタイム性を排除したわけです。
確かに理屈としては理解できるところですが、そもそもPSPの根底にあるコンセプトが、
「PS2ゲームを持ち出せる」というものなので本家MGSのPSP参入は渇望されていました。
なので結局アシッド発売がPSPでのMGS需要を高めた形になり、MPO発売に至ったわけです。

・・・ある意味、強行的な製作への踏み切りとも言えます。非常に無理やり感が漂う。
集大成的タイトルMGS4を作っている傍ら並びに本編を作ることは過酷でしょう。
だから・・・まあここまで発売前に色々な懸念を抱えていたのは僕ぐらいでしょうけど、
本編としてしっかり作られているか?「携帯機」を理由におざなりになってないか?
などと不安視してました。シリーズに泥を塗るような真似だけは避けて欲しかったから。

しかし、(いきなり結論から入りますけど)それは杞憂でした。これはすげえゲームだった。
言うならば、電プレの「すんゲー10本」コーナーで毎号連続で巻頭20ページを飾るぐらい。
例えがマニアックすぎますけど、とりあえずそれほどの面白さを秘めた仕上がりです。

基本的にアクション部分のモーションや全体的なシステムはMGS3からの流用なので、
良くも悪くも変化に乏しいです。変わってるところは結構あるんだけど印象としてね。
ただし、いつでもどこでも本格ステルスゲームを楽しめる恩恵はあまりにも大きい。
問題視されていたボタン配置も難なくクリア。「快適」というレベルとは言い難いけど、
重要度の低いアクションを制限することによってゲームとして上手く機能させています。
インフラストラクチャーのオンライン対戦を考慮してもバランスは良好だと感じます。

結局携帯機とアクションの相性が悪いというのは過去の話で、
PSPにしてもDSにしてもスリープという中断機能がデフォですから、
MHP2ndも100万本突破という快挙なわけで・・・ってこれはまた別の話か。
とにかくこの二つの相性というベクトルで考えた場合悪くないことは事実です。
PSPの「PS2を持ち出そう」という謳い文句ももはやあながち大げさではなく、
ボリュームは携帯機のそれを感じさせません。PSPも来るところまで来てます。

ロードに関しても良好、これを遅く感じる人は他のPSPソフトは出来ないでしょうね。
難易度も選択できるので携帯機らしく腰を据えず手軽にプレイできるのも魅力です。




 シナリオは重い

プレイする上での手軽さとは相反してシナリオ自体はかなり重厚なものとなってます。
まあこれは、MGSシリーズでは当然の要素で本編を名乗るMPOも例外ではないってことで。
ただ外出先でのプレイを考えた場合、イベントパートを楽しむ上ではイヤホン必須なので、
これだけでプレイ環境をかなり限定しているようにも思えます、特徴上仕方ないけど。
結局家でプレイするのが一番楽しみやすいという・・・何だかチグハグだね(´・ω・`)
しかし後述のWiFi要素は外出時こそ活きます、一概にも決められないところではあるかな。

これは少々つっ込んだ話ですが、ファンとしてはシナリオに納得いかない箇所もチラホラ。
・・・いや、納得いかないってのはちょっと語弊含みます、しっくりこないが妥当なところか。
元々ストーリー自体が作品間の時間軸の空白を埋めるような内容になっているので、
サプライズもあれば「それは無理やりすぎないか?」的なところも見受けられます。
MGS4にも色々とリンクする形になっているのである意味「やりすぎ」だったとも言える。

・・・ただ、あくまでこれは重箱の隅を突っつくような指摘であるということを忘れずに。
イベントパートの作りこみは毎度のこと見事で、アシュレイ・ウッド氏の画が動く様は、
非常にアーティスティックだし、ゲームの演出としてはかなり引き付けるものがあります。
キャラ立ても上手にやっている印象を受けるし、ゲームの演出としては革新的でしょう。

その分、無線パートに音声が一切入っていないことが目立った気もします。
無線はMGSという作品を語る上では外せない要素だから、不満が残ったというのが本音。
開発側としてはUMDの容量上どうしようもないということなんでしょうけど、
こう言っては何ですが、そんな理屈こねてもユーザーにはまったく関係ないわけです。
イベントパートの出来の良さがこういう不満を呼ぶのも何とも皮肉な話ですけどね。




 “PSPらしさ”への追求

おそらく技術的にPSPでできることは全て取り入れているでしょう。
WiFi技術の解釈が見事で、コンセプトである「仲間集め」と上手い具合に連動させ、
それを「アクセスポイント経由の兵士リクルート」という形で昇華させています。
街中にある無線APに接続することで兵士ゲットというのは何とも次世代的な話。

GPSを積極的に取り入れたことも評価されるべき点です。
アクションゲームではその機能を考えても使いづらいところかもしれませんが、
次世代携帯機作品という枠組みで捉えれば自然な流れとも言えなくもないです。

WiFiにしてもGPSにしても「仲間集め」というコンセプトに上手く乗っかったから、
ここまで斬新かつ魅力溢れた要素を引き出すことができたんでしょうね。

そしてその集めた仲間を他のプレイヤーと戦わせたい、というのが人間の性。
ポケモンと一緒です、どんなソフトでも他人とのリンクがあると途端に面白くなる。
だから「仲間集め」をコンセプトにした時点でMPOにオンライン対戦は必須でした。
・・・まあ搭載されているんだから何も文句言うとこないんですけど。

僕はプレイしたことないんであまり突っ込んだことは言えないんですが、
話に寄ればMGOからの反省を生かした実験的な改変も多々見受けられるようで、
遊びやすいという人もいれば以前のままが良かったという人もいる状態・・・かな。
ヘッドショットの当たり判定縮小などは確かに議論を呼びそうなもんですけど、
この改変がまたMGO2に繋がるならばプレーヤーとしても開発陣としてもオイシイかと。

脱線しましたけど、とにかくPSPのオンラインサービスとしてはよくできてるので、
無線LAN環境を整えていない人でも一度は体験して欲しいものだと思います。
ストーリーモードプレイ後にも遊び続けられるというのは値段以上の見返りがあるよ。

こんだけ挙げてもまだ挙げきれていないのがMPOの凄いところで、
アドホック対戦、ゲームシェアリングまでも完備。さらに驚くことに、
SCEから公式的に発表されていない「すれ違い通信」までも搭載されています。
これには色々な意味で笑った、SCE何しているんだよと。お前らが作ったハードだろと。
ここまで隙がないと正直言葉もないです、開発陣にはただただ感心するばかり。




 結論

MHP2ndが100万本のヒット、ということには何の異論もありませんが、
PSPへの取り組み方として比較する場合、より賞賛されるべき作品はMPOでしょう。
ここまでガッツリと詰め込んだ作品はおそらくPSP至上初だと思います。
移植、リメイクなどの2次利用が蔓延気味のPSP市場に突如現れた黒船・・・って、
洋ゲーではないから黒船じゃないか・・・まあいいや、意欲作ってことで(投げやり)。

PSPを所持、あるいは買う予定の人には是非触ってほしい作品。
これからのPSP作品のデファクト・スタンダード的位置づけになるであろう、
その製作技術は一見の価値ありです。WiFiの何たるかが詰まっています。

ああ・・・もういいや、回りくどい言い方はやめます。
とにかく面白い、斬新、ボリューム満点、PSP至上いい意味で最も凄い。
適当に賛辞を並べてみましたけど全部当てはまります、こんなのって・・・怖い!

DSにはDSらしさが。ではPSPの“らしさ”って何?、と考えたとき、
その答えを見せてくれるのが『メタルギアソリッド ポータブル・オプス』だと断言できます。




関連リンク
メタルギアソリッド ポータブル・オプス
小島プロダクション
コナミ

B000FPUZ2Iメタル ギア ソリッド ポータブル オプス

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