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2019-04

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『アナタヲユルサナイ』 クリア後のインプレッション

B000RP5QDO 『アナタヲユルサナイ』
 ⇒公式サイト

 PSP AQインタラクティブ
 ポータブルノベル CERO【C】
 2007年11月15日発売

 ⇒Amazonで詳しく見る


数々の名作サウンドノベルを手がけてきた麻野一哉氏と、ゲーム音楽業界の巨匠ともいえる植松伸夫氏がタッグを組んだ新機軸のアドベンチャーゲーム。キャラクターデザインにたかなししん氏を起用したことにより、より大人な雰囲気を醸した作品に仕上がっている。

※ネタバレなし


■PSPを縦に持つという新スタイルの絶対必要性

今作が十字キーと基本4ボタン+R/Lボタンという常識的なコントローラの使い方から脱却した理由は、新たな「操作性」を生み出すことを念頭においたものではない。アドベンチャーゲームであるが故に、新しいプレイ感覚を追求することは、基本的に文を読み進めていく類のゲームでは無意味である。操作性云々という問題ではなくて、PSPを縦にすることによって生まれる最大のメリットは何なのか。それは、「縦長のスクリーンを得る」ということである。元々PSPは、携帯ゲーム機としては規格外のアスペクト比16:9のスクリーンを持っているため、PSP自体のマシンパワーとの相乗効果もあって重厚なストーリーを語るRPGだったり、広大なフィールドを駆け回り敵を倒していく等のアクションと相性がいい。大きなスクリーンを持つということはそれだけゲームに幅を持たせることが出来る。無論アドベンチャーゲームにおいてもそれは例外ではない。

「縦長のスクリーン」がもたらしたものは、今作の作風を決定付けたたかなししん氏によるイラストの全体像表示、そこに尽きる。

今作の公式HPを見ても分かる通り、登場人物のデザインが昨今のそれとは明らかに方向性の違うものである。ゲームというよりは、どちらかといえばファッション誌に掲載されるようなデフォルメされたもの。線の細いすらっとしたスタイル、決して浮き世離れしていない好感の持てるデザイン、ファッション。そんなキャラクターがPSPの縦画面を最大限活用して映し出される様は、見ていてなかなか気持ちがいい。洗練されたイメージがそのままゲームに生きているというか。そして何より緊迫したシチュエーションだとその緊張感に拍車がかかる。横持ちでは実現出来ない縦持ちならではの演出を生み出し、さらにそれが随所に盛り込まれている探偵アクションの面白さの本質にまで迫っているのは見事だ。



■個性的なキャラクターが織り成す秀逸なストーリー展開

一人一人のキャラクター描写が素晴らしく、脇役に至るまで誰一人として空気なキャラがいない。個性的なキャラが多いからといって、崩れることのない見事なバランスで独自の作風を醸しだしている。たかなししん氏によるデザインがゲーム業界においては新鮮という所為もあるとは思うが、それをうまく料理している印象を受けた。特に主人公が属する探偵事務所の職員は強烈なキャラが多く、登場回数が他と比べても圧倒的に多いということもあり印象深い。

キャラ立てに成功しているだけでなく、今作は肝心のストーリー展開も見事である。主人公が持つ目的として、原因不明の失踪をした父と夫を探すというくだりが大筋で、その真相を追究しながらも浮気調査といった探偵事業をこなすことになる。物語は最終的に失踪事件の髄にまで迫ることになり、次々と伏線が解かれていく後半部分にはカタルシスを感じた。まさに怒涛の謎解明パート、今作の核ともいえる超重要シナリオがしっかりとした出来に落ち着いていたことには安心した。

そして、何より今作はテンポがいい。前半部分も決して中弛みせず、見事なバランスを保っている。話の強さでグイグイと読ませる感じ、俺も2日でクリアしてしまった。



■植松伸夫氏によるサウンドの新たな一面

基本的に、俺が植松さんのサウンドはRPG作品のものしか聴いたことがないからかもしれんが、植松さん的にもアドベンチャーというジャンルを考慮してか今までに聴いたことのない音作りがされていて面白い。しかもサウンド自体は相変わらず中毒性の高いものが揃っていて、逆にアドベンチャーというジャンルでよくここまで、いい意味で「聴かせる音楽」を作れるな、と感心した。さすがゲーム音楽業界の巨匠、植松伸夫。この境地にまで達している人だとジャンルなんぞ選ばないんだろう。いや、メディアもか。



■ボリューム不足は否めない

基本的に一周すれば終わりである。攻略パーセンテージなどが設定されているわけでもなく、分岐点を全て回ったからといって何かがおこるわけでもない。いくつかバッドエンドなどもあるが、それを見るのも結局は自己満足の域。何か一つパンチに欠ける気もするが、まあ対象ユーザー(おそらくは女性、それもライトな)などを考えればこれくらいでいいのかもしれない。



■総評

今年一押しのアドベンチャーゲーム。旧型PSPでも問題なくプレイ出来たが、最近新型を手に入れた、なんて人には是非プレイしてもいらいたい一品。最初は縦持ちに若干の違和感を覚えるかもしれないが、すぐに解消されるし何より軽量化された新型なら快適度は段違いであると思う。

パッケージからも見て取れるように独自の色を出している今作は、決してうわべだけの作りではなく根底からしっかり作り上げられている素晴らしい出来である。探偵というベタな設定に若干の胡散臭さを感じてしまったが、そう思っていた自分が恥ずかしくなるほど世界観構築には一目を置くものがある。「麻野一哉×植松伸夫×たかなししん、これ鉄板になるんじゃねーの?」とまで思った。是非プレイしてみて欲しい。

ということで今回は・・・
ファミ通評価で表すと9、電プレ評価で表すと95 といった感じで。


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